How-to

6.海外一人旅の準備

外貨の準備

海外旅行では普段より多くのお金が必要になりますが、多額の現金を持ち歩くのは危険なのでなるべく避けましょう。現地通貨とトラベラーズチェック(T/C)とクレジットカードをバランスよく携帯するのがベストと言われています。しかし短期間の旅行であれば、現金とクレジットカードでも大丈夫。 また、日本の自分の銀行口座にあるお金を海外のATMから現地通貨で引き出すことができるサービス「国際キャッシュカードサービス」というものもあります(詳細は後述) いくら用意すればいいかは行き先(物価が高い国か安い国か)や旅のスタイルによって異なります。総額でどれくらいあれば足りるかをざっくりとでいいので計算して用意しましょう。 【参考例】筆者の場合 私の場合はクレジットカード精算に比重を置きます。(マイレージを貯めている都合もあり) アメリカ1週間~10日間の旅の場合、US$500現金を用意してあとはクレジットカードで精算、もし現金が足りなければクレジットカードで現地通貨をキャッシングといった具合です(それとは別に日本円を5万円程度)。 たいていのホテル・レストラン・観光地・お店ではカード精算が可能なので、現金を使うのはキオスクで買い物したり、タクシーとか、スーパーでの買い物だったり、ちょっとした入場料など。入場料も2000円を超えるなど高めの場合はカードで購入することもあります。

外貨両替(外貨現金の準備)

両替は出発当日の空港や現地についてからでも可能ですが、可能であればなるべく事前に用意しておきましょう。空港のレートはよくなかったり、少額の両替が出来ない場合がありますし、出発日はなにかとバタバタします。現地での両替も現地到着が夜遅い場合などはタイムロスになりますし、すぐに現金が必要なこともあります。 ・空港で両替: 両替所は複数ありますが店舗によってレートは異なります。比較してレートの良いところで両替するのがコツ。それからもう一つコツ。銀行が運営しているところより、両替専門店のほうがレートが良いことが多いです。 ・市中銀行で両替: 市中銀行での両替はパッケージされて売っていることが多いです。例えば300$パッケージは「100$札1枚+50$札2枚+10$札9枚+1$札10枚」などセットになっていて、その時のレート(1$=100円等)で計算されて価格が決まります。 また、余談ですが両替には2通りの買い方があります。例えばドルの場合 「10000円をドルに両替する」という買い方と 「100ドルきっかりを購入する」という買い方です。 ”両替(円を外貨に換える)”という言葉のイメージから前者で両替する人が多いようですが、この場合外貨に端数が発生します。仮にレートが1ドル=78円の場合(2012/07現在)、前者は128.2$になり、後者は7800円での購入になります。 好みの問題ではありますが、後者のように外貨はきっちりの数字で用意したほうが後々外貨をいくら使ったかなど計算するときに楽だと筆者は思っています。

現地で両替

現地についてから両替するときは、空港での両替はレートが良くないことがほとんどなので必要最小限にしましょう。空港内には両替所が複数あることもあり、レート・手数料はまちまちなので比較して有利なところで両替しましょう。 日本円から両替するのが一般的ですが、後述するキャッシングも便利です。空港にはたいていATMがあるのでクレジットカードで簡単に現地通貨を引き出すことができます。

トラベラーズチェック(T/C)

トラベラースチェックは旅行用小切手のことで、以前は旅の主流でしたが現在は取り扱いがなくなりました。 もしなくしたり盗難にあっても再発行が可能なのがメリット。基本的には現地の両替所や銀行で現地通貨に換金してから使用します。免税店などT/Cのまま買い物に使えるお店もあります。金額に応じて数枚綴りになっていて、サインする場所が2箇所あり、購入時にその場で1箇所にサインをします。現地で実際に使用するときにもう一箇所にサインをして使用します。両方にサインを書いた状態でなくした場合は再発行はできません。 購入時は現金よりレートが良いのが魅力ですが、現地で換金するときに手数料を取られるのが普通です。

クレジットカード

両替の必要がなくキャッシュレスで買い物できるクレジットカードは旅の必須アイテムです。VISAかMasterのブランドであればだいたいの国で使えますが、日本発行のカードだと読み取れない事例もまれにありますので、異なるブランドのカードを2~3枚用意することをお勧めします。財布やバックを盗まれた時などいざというときのために、分散して携帯しましょう。小さなお店や安宿などではクレジットカードは使えないこともありますので現金も合わせて用意しましょう。

クレジットカードでキャッシング

意外と便利なのがクレジットカードによる現地での外貨キャッシングです。現地の対応ATMから現地通貨を必要なだけ簡単に引き出す(借りる)ことができるのがキャッシング。一般的にキャッシングとは高額な利子がかかるのでマイナスのイメージがありますが、こと海外キャッシングに関しては別。両替手数料を考えればキャッシングの利子のほうが安い場合も多いです。レートもキャッシングのほうが良いこともあります。 キャッシングするにはカード発行時に登録したパスワードが必要です。このパスワード、日本ではあまり使う機会がなくて忘れてしまう人も多いですが出発前に確認しておきましょう。また、使用限度額も決まっているので事前に確認しておきましょう。 現地のATMは都市部であれば空港や銀行、駅など、あちこちにあります。しかし田舎に行くとないこともあるので、キャッシングをするなら都市にいるときに済ませましょう。 【参考】キャッシング利子計算方法: 例えばVisaなら海外キャッシングの実質年率は18%。これを見ると一見「利率高っ」と思いがちですが、あくまでこれは年率。利息がかかるのはキャッシングした日から引き落とし日までの間です※。それが仮に30日間だった場合、 利率は18%×30日÷365日=1.48% です。 10000円分をキャッシングしていれば利子は148円 ※仮にVISAで月末締め翌26日払いの場合:  7/31 にキャッシングした場合、引き落とし日(8/26)までの26日間に利息がかかる(最小) 7/1 にキャッシングした場合、引き落とし日(8/26)までの57日間に利息がかかる(最大) つまり引き落とし日に近い日にキャッシングしたほうが利息は安くなる。 これに対して両替は基本的にその都度に手数料がかかります。手数料は両替所によってまちまちで、両替金額の3~5%だったり、手数料込みのレートだったり、1律1回500円~1000円とかだったり。 いざというときの命綱になるクレジットカード。いくつか用意しておきましょう。 関連リンク: 旅のクレジットカ ード選び>>>

【イクラコラム】イタリアで超ピンチ:キャッシングで旅を続ける イタリアを旅行中、到着して2日目にバスで財布をすられてしまいました。中にはなんと全財産15万円とすべてのクレジットカード等カード類が入っていました。 急いですべてのクレジットカード会社に連絡し、なんとか停止と再発行の手続きをして日本から新しいカードをイタリアの銀行宛に送ってもらい受け取りました。カードが到着するまでの間は旅で知りあった親切な方にお金を借りてしのぎましたが、カードを再発行後すぐにキャッシングして返金しました。現金約15万円は諦めざるをえませんでしたがクレジットカードのおかげで旅を続けることが出来ました。 高く付きましたが勉強代です。

国際キャッシュカードサービス

日本の自分の銀行口座にあるお金を海外のATMから現地通貨で引き出すことができるサービスが国際キャッシュカードサービスです。現地で現金を引き出す毎に数%の手数料もしくは上乗せレートが必要です。 実はこのサービス、クレジットカードのキャッシングと実質なんら変わりありません。「自分の口座から引き出す」というイメージでキャッシング(借金)のマイナスイメージを打ち消し消費者に気軽に利用してもらおうというのが狙い。 どこの銀行でも行っているわけではなく、このサービスを行っている銀行は限られます。2012年現在、一番メジャーなのが楽天銀行(旧イーバンク)の国際キャッシュサービス「楽天銀行デビットカード」です。他にシティバンクや新生銀行などがサービスを行っています。